【STEP3】納品後の対応を知ろう
ホームページは「作って公開して終わり」ではありません。
むしろ本番は公開してからです。セキュリティの維持、情報の更新、トラブル対応など、納品後にやるべきことはたくさんあります。

ただ、やることが多すぎて何から手を付けるべきか悩みますよね。
そこで、ここでは「最低限の」ホームページ納品後に必要となる対応を解説していきます。
納品後に必要なこと4つ
ホームページを無事に納品したあと、「ここからクライアントに何をすればいいんだろう?」と迷う方も多いと思います。
そこで、最低限やるべきことを4つにまとめました。
① 情報更新


納品後に必要なこと1つ目は、お知らせ・ブログを設定している場合に、更新していくことです。
情報更新の内容 | ||
---|---|---|
項目 | 内容 | 対応方法 |
お知らせ | 営業時間・定休日・キャンペーン情報 | クライアント or 制作者代行 |
ブログ | 商品紹介・スタッフ日常・イベントレポート | 投稿マニュアルを渡す/代行サービス提案 |
クライアントが更新する場合
クライアント自身で更新できるように、投稿方法をまとめたマニュアルを渡しましょう。
OLTANA公式ヘルプにも詳しい記事があるので、あわせて紹介すると安心です。
制作者が更新する場合
クライアントによっては「忙しくて投稿が続かない」というケースも多いです。
その場合は、以下のような代行プランを提案できます。
【代行プラン】
- 月◯回の投稿を制作者が代行
- 文章や写真を送ってもらい、整えて投稿する

更新代行なんてできる自信がないです・・・

イメージ的に、ブログを1回でも書いたことがあれば更新代行はできますよ。
クライアントも嬉しいし、受注するあなたも嬉しいwin winになれます。
② サイトのセキュリティ維持

納品後に必要なこと2つ目は、サイトのセキュリティ維持です。
なぜなら、ホームページを納品した後も、放置するとセキュリティリスクや不具合が発生するんですよね。
セキュリティの具体的な対策は、以下のとおりです。
プラン | 月額料金 | 内容 |
WordPress本体 プラグイン更新 | 放置すると脆弱性を突かれる恐れあり。更新後は動作確認を実施。 | 管理画面の更新通知から実行 |
ウイルス マルウェアチェック | 不具合や不正アクセスに備えて必須。 復元テストも行う。 | SiteGuard WP Plugin Wordfence Security |
迷惑メール対策 | フォームからのスパム送信をブロック。 | Google reCAPTCHA、Akismet |
サイトセキュリティの具体例
OLTANAの案件ではないですが、お問い合わせから「迷惑メールが何百通も一気に届いて困っている」という事例がありました。
このケースでは、スパム対策プラグインの導入をしていないケースがほとんどでした。
こういった「納品後のトラブル対応」を対応していく必要があるんですよね。

正直、迷惑メール対策とかよくわからないんですよね。

ブログや企業サイトのお問い合わせで、画面の右下の赤枠で囲ったこんなの見たことありますかね?


ありますね!

これはGoogle reCAPTCHAといって、迷惑メールや不正アクセスを大幅に減らせる必須のツールなんですよね。
このようなツールを導入しながら、迷惑メール対策をしてサイトのセキュリティを上げていきますよ。
今はAIに聞くと解決できますよ。
③ 定期点検・トラブル対応

納品後に必要なこと3つ目は、定期点検・トラブル対応です。
内容については、以下の表を参考にしてください。
チェック内容 | 確認ポイント | 方法・具体例 |
フォーム送信テスト | 送信できるか、通知メールが迷惑メールに振り分けられていないか | 実際にテスト送信 |
リンク切れ・404エラー | ページ遷移が正常か | Broken Link Checker、手動チェック |
サイト速度・パフォーマンス | 表示が遅いと離脱やSEO低下につながる | PageSpeed Insights、キャッシュ・画像圧縮 |
ドメイン・サーバー契約更新 | 契約切れでサイト停止のリスク回避 | 契約更新日をカレンダー管理 |
定期点検・トラブル対応の具体例
例えば、お店のブログ記事で「おすすめの記事はこちら!」ってリンクが貼っててクリックしたら、こんなメッセージが出てきたことはないですか?

これが404エラーと言って、「記事が削除された」「URLが変更された」という理由で、記事が読めない状態になっているんです。

これって何が問題なんですか?

読者さんへの信頼低下につながったり、SEO面でもマイナスに働くことがあるんですよ。
だって、紹介されている記事リンク切れで読めなかったら、情報更新していないの? ここのお店の管理大丈夫かな?とか、読者さんに不安を与えてしまいますよね。

じゃぁどうしたらいいんですか?

リンク切れを教えてくれるプラグインを活用して、リンク切れチェックしていったり、手動で点検することもあります。
このように、クライアントのお客さんから信用を落とさないためにも、サイトを定期的に点検していく必要があるんですよ。
④ 運用・アクセス解析
納品後に必要なこと4つ目は、運用改善です。
サイトを作成した目的によって、運用改善が必要かが決まります。
サイトの目的 | 必要な対応 | 具体例 |
看板用 | 最低限の更新・点検でOK | 情報更新・SSL維持 |
集客用 | 運用・解析が必須 | Google Analytics/Search Console/MEO対策/SNS連携 |
集客用のサイトだったら、運用・解析は必須となります。
Google Analyticsで集客を勉強したい方は、まずは以下の記事から見てみましょう。


納品後にやることはわかりましたが、じゃぁ納品して具体的に何をしていけばいいんですか?

無料サポートを1ヶ月つけるのがおすすめなんです。納品後、クライアントさんがどんなことに困るのかがわからないですよね。だから無料でサポート期間を設けるんです!
無料サポート期間を設けよう
納品後、こんな相談を受けることがあります。

ここの文章を変えたいんですけど、どうしたらいいですか?

お知らせを書こうと思いましたが、マニュアルを見てもよくわからないです。
そこで、1か月間の無料サポートをつけましょう。
そうすることで、クライアントさんも安心していただけるんですよね。
チャットでの質問対応や軽微な修正を、無料で対応してみてください。

「他社では1ヶ月のサポートが◯◯円かかるところ、私の場合は1ヶ月無料サポートしますよ。」と伝えると、喜んでいただけますよ。
「1ヶ月無料サポートって特別なことなんだよ」ってことを伝えていきましょう。
保守契約を提案しよう
1ヶ月の無料サポートの後は、保守契約を提案してみましょう。
今度は無料サポートではなく、有料でサポートするイメージです。
ヒアリングの段階で、納品後のサポートについては触れているかと思います。
ですので、納品時に「納品後のサポート」について再度クライアントに説明しましょう。
保守契約とは?
保守契約は、さきほど説明した「納品後に必要なこと4つ」を継続的におこなうイメージです。
簡単にいうと、「納品後もサイトを見守っていきますよ」という契約なんですよね。
ホームページを作って公開したあとも、そのまま放っておくといろいろな問題が起きるんですよね。
たとえば、こんなサイトを見つけたことはありませんか?

httpのまま になっていて、SSL(暗号化通信)が設定されていない状態なんですよね。
こんな状態の場合、最悪ユーザーがフィッシング詐欺等の被害にあう可能性も否定できません。
企業側にも、損害の賠償責任の可能性も出てきます。
こういったトラブルを防ぐために、「保守契約」でサイトのメンテナンスをしていきます。
- WordPressやプラグインの更新:安全に使うために常に最新の状態にする
- セキュリティ対策:不正ログインや改ざんを防ぐ
- 軽い修正や更新:文章や画像の差し替えなど「ちょっとした変更」に対応
- トラブル対応:サイトが見られない!というときに駆けつける
簡単に言うと、保守契約はホームページの「かかりつけ医」みたいなものです。
作ったあとも安心して使ってもらうために、制作者がサポートを続ける仕組みなんです。
プラン例
プラン | 月額料金 | 内容 |
ライト | 2,000円 | ドメイン/サーバーの更新確認、SSL状態チェック、月1回ログインテスト |
スタンダード | 7,000円 | WordPress・プラグイン更新、月1回バックアップ、軽微な画像・文章修正(月1回まで)、迷惑メール対策(reCAPTCHA設定など) |
プレミアム | 25,000円 | スタンダードの内容+月2回までの修正、アクセス解析レポート(月1回)、お知らせ/ブログ投稿代行(月1〜2本)、フォーム動作テスト、不具合対応(軽度) |
スポット対応 | 都度見積り | バナー制作、ページ追加、予約機能導入、デザイン変更、緊急トラブル対応など |
このように、相場に沿った価格設定+具体的な作業範囲 を明示しておくと、クライアントが「どの範囲まで対応してもらえるのか」をイメージしやすくなります。
1ヶ月の無料サポート後、以下のように提案してみましょう。
- 「ライトプランなら最低限の管理だけ任せられます」
- 「スタンダードは更新やバックアップを含むので、安心して任せられます」
- 「プレミアムは運用まで丸ごと依頼したい方向けです」
よくある質問6選
① 必ず保守契約をしなければならないですか?

保守契約は必須ではありません。スポット対応でも十分対応できます。
実際に、私はスポット対応をしています。
- 契約件数が増えると管理負担が大きくなる
- 振込が滞ったときの対応が面倒
(サーバーを制作者管理にしていれば停止できるが、クライアント契約が多いため難しい) - 請求管理の手間が増える
ただし、保守契約には安定収入や安心感というメリットもあります。
私は4か月に1回程度クライアントへ連絡し、その際に更新作業を行っています。
場合によっては、更新費用をいただいています。
- 簡単な作業:1,000円〜
- 工数がかかる作業:3万円程度
ただし保守契約のメリットもあります。定期的な収入源になり、長期的な関係構築もできますよ。

現状では、大きなサイト修正は少なく、公式LINE対応のほうが多いですね。
② 納品後に「ここの文章を変えてほしい」と連絡がきたら無料で対応すべき?
対応の基準を明確にしましょう。
- 1か月以内の無料サポート期間 → 無料対応
- それ以降 → 有料対応
料金表に明記しておくと安心ですね。

1ヶ月の無料サポート期間が終わったら、こちらのミスではない限り、有料で対応しています。
そうしないと、
③ ドメイン・サーバーの更新は制作者側でやるべき?

私の場合は、基本的にクライアント側で行ってもらっています。
- 契約名義がクライアント本人になることでトラブルが減る
- 多くのサーバー・ドメインは自動更新なので手間がかからない
- 制作者は「更新日リマインド」をしてあげる程度で十分
④ 「ホームページを作ったのにお客さんが全然来ない」と言われたら?

なぜこのように言われるかというと、最初のヒアリングのときに、クライアントから制作の目的を明確化できていないためです。
制作の目的を、ヒアリング段階で絶対に確認しましょう。
- 名刺代わり(会社案内)なら集客効果は限定的
- 集客したいなら、SEO・MEO・SNS運用など追加施策が必須
「ホームページ単体では集客できない」ことを明確に説明してください。

集客をしていくためには、クライアントの業態に合った追加施策を提案しなければなりません。
ホームページ制作以外の経験・知識も必要となります。
⑤ 迷惑メールが来たらどう対応すればいい?
次の対策が有効です。
- Google reCAPTCHA:自動送信を防止
- Akismet:スパムメールを判定

実際に私が担当したピラティススタジオの案件では、お問い合わせフォームを設置せず、公式LINEに一本化しました。
【メリット】
- 迷惑メールがゼロになる
- 問い合わせがすべてLINEに集約される
【デメリット】
- 初めて連絡する人にとっては少しハードルが高い
⑥ 納品後に「やっぱりホームページはいらない」と言われたら?
契約形態によって対応が変わります。
- ココナラやランサーズ → 運営に相談可能
- 直接契約 → 契約書どおりに対応
私の知人は契約書を結んでいなかったため泣き寝入りになったケースもあります。契約書は必ず交わしておきましょう。

初心者のうちは、ココナラ等のプラットフォームを介して案件を受けるのがおすすめです。
ただ、実情として運営が間に入って対処してくれる可能性が限りなく低いです。
やりとりをして、少しでも違和感があれば、取引しない方が賢明でしょう。
クライアントワークでのトラブルを記事として書いている方もいるので、確認してみてください。

納品後の対応編まとめ
これで最低限の「ホームページを納品してからの対応」を一通り学べました。
これらを押さえて、納品後もクライアントに貢献していきましょう。

保守契約は、安定的な収入にもなります。
1件5,000円を10社持てば、それだけで月5万円になりますからね。