公開後に想定される追加対応|無料・有料の境目と決めておくべき4つのルール
ホームページを公開すると、制作中には気づかなかったことや、実際に運用してみて修正したくなる点が出てきます。
そのため、一般的に、ホームページ公開後は1ヶ月程度の無料サポートを設けることがほとんどです。

ただし、無料サポート期間であっても「無料で対応すべき作業」と「有料で対応すべき作業」の線引きをしておくことが大切です。
無料で対応できる範囲を曖昧にしていると、無償の作業が増え、制作者側が損をするケースがあります。
今回は、ホームページ公開後に想定される追加対応と、無料・有料の境界線を解説します。
自分の負担を適切に管理し、クライアントへのサポートを継続するためにも、追加対応の範囲と料金を明確にしておきましょう。
ホームページ公開後によくある追加対応
まずは、ホームページ公開後に発生しやすい追加対応を以下の2つに分けて紹介します。

どんな依頼が起こりやすいかを把握しておくことで、無料対応・有料対応の線引きがしやすくなります。
ホームページ公開直後に起きやすい依頼
公開直後に起きやすい追加依頼は次のとおりです。
- 写真の差し替え
- 既存文章の微調整
- リンクの設定ミス
- 問い合わせフォームからメールが届かない

実際にホームページを公開してみると、制作中には気づけなかった細かい文言の違和感や、設定漏れに気づくことがあります。
公開直後に発生しやすいトラブルや、対応方法については、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。

ホームページ公開から1〜2ヶ月以降に増える依頼
公開からしばらく経つと増えてくる依頼はこちらです。
- サービス内容や料金の更新依頼
- セクションの追加
- 画像の大幅な差し替え
- 問い合わせ導線の見直し
- お知らせ・ブログ投稿の代行相談
ホームページ公開後に事業内容やサービスの変更が生じることで、追加の依頼が増えてきます。
特に、サービス内容や料金の変更は、業種によっては発生しやすい依頼のひとつです。また、実績やお客様の声の更新は、サイトの信頼性を高めるうえでも効果的です。

必要に応じて、こちらから提案することで、クライアントへの価値貢献と自身の継続案件の獲得にもつながります。
1ヶ月サポート期間の無料対応と有料対応の境界線
ここでは、1ヶ月の無料サポートで対応する作業内容と、無料サポート期間中であっても有料で対応すべき作業を紹介します。

無料サポートで対応できる範囲を決めておかないとクライアントとのトラブルにつながるため、サポートの対象範囲を明確にしておきましょう。
無料サポートに含まれる作業
無料サポート期間に含める作業は、公開直後に発生しやすい調整レベルの対応が中心です。代表的なものは以下のとおりです。
- 既存画像の差し替え(少量)
- 既存文章の微調整
- ヘッダー・フッターなどの軽微な調整
- 操作方法に関する簡単な質問対応
- 公開直後の軽微な不具合の修正(バグ対応)
1ヶ月の無料サポート期間が終了したあとは、制作者側のミスでない限り、基本的にこれらすべてが有料対応となります。

なお、公開から1ヶ月以降に発生するWordPress本体・プラグイン更新による不具合も、一般的には有料で対応すべき作業です。
1ヶ月以降の不具合対応や、日々の更新・メンテナンスは、保守契約(=有料サポート)として取り扱います。
保守契約について詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。

無料対応は避けるべき作業
無料サポートは公開直後の軽微な修正や運用の補助を目的としているため、以下のような追加作業は基本的に有料対応となります。
- 新しい文章の追加(大幅な変更も含む)
- 新しいセクションの追加
- サービス内容の変更に伴う、大幅なページ修正
- ページ全体の画像の差し替え など

これらの作業は制作者側の負担が大きくなるため、無料サポート期間であっても、オプションプランとして扱いましょう。
トラブルを避けるために決めておくべき4つのルール

ここでは、クライアントとのトラブルを避けるために、決めておくべき4つのルールを紹介します。

無料サポートの対象となる作業を明確にし、クライアントとのトラブルを防ぎましょう。
ルール1. 無料で対応できる範囲を明示する

まずは、無料サポートを提案する際に「無料で対応できる内容」を伝えておくことが大切です。
無料サポートの内容は、口頭だけでなく、ドキュメントやPDFなど、必ず形に残るもので共有しましょう。
納品後に操作マニュアルを渡しても、慣れない更新作業に不安を感じているクライアントは多いです。

「これだけは1ヶ月無料でサポートします」と提案することで、クライアントの安心にもつながります。
ルール2. 追加(オプション)の料金表を用意する

無料サポートの内容と同時に、追加作業(オプション)となる料金表も用意しておきましょう。
サポート範囲が曖昧だと、修正依頼や追加対応が増え、制作者側への大きな負担になりかねません。
そのため、「どこまでが無料で、どこからが有料か」を示した料金表を事前に作成しておくことが大切です。
| 作業内容 | 無料対応 | 有料対応 |
|---|---|---|
| 文章の追加・修正 | 2回まで | 3回目以降:1文字◯円程度 |
| 画像の差し替え | 5枚まで | 6枚目以降:〇〇円 / 枚 |
| セクションの追加 | ー | 〇〇円 / ページ |

無料で対応できる上限と、その上限を超えた場合の料金を提示しておくと、クライアントとしても依頼や相談をしやすくなります。
お役立ちシートの料金表に追加をして、自分が快適に仕事ができる料金表を作成しておきましょう。
ルール3. 無料サポートの期間を決める

無料サポートには、必ず期間を設けましょう。一般的には1ヶ月程度がおすすめです。
1ヶ月ほどあれば、クライアントもサイトの運用方法や更新の流れを一通り理解できるようになります。

また、無料サポートの期間を通じて、クライアントがホームページの運用コストを把握しやすくなる点もポイントです。
無料サポートを通じて、丁寧なフォローを行えると、その後の保守契約や継続依頼につながりやすくなります。
ルール4. 制作前に作業内容と料金を明確にする

制作前に「作業内容・範囲・料金・納期」を明確にし、文章として必ず残しておきましょう。
無料対応と有料対応の線引きをしても、クライアントへ共有し、お互いに合意していなければ意味がありません。
作業内容や料金を文章として残しておくことで、次のようなメリットがあります。
- 「言った言ってない」を防げる
- 追加作業が発生したときに「契約外=有料です」と伝えられる
- クライアントも依頼範囲を把握しやすくなる
- 制作者も不要な無償対応が防げる

見積書や契約資料として形にしておくことで、認識のズレを防ぎ、安心して制作を進められます。
公開後に想定される追加対応まとめ
ホームページ公開後は、写真の差し替えや文言調整、サービス内容の変更など、さまざまな追加対応が発生することがあります。
制作者自身を守るためにも、「どこまで無料で、どこから有料なのか」を明確にしておくことが大切です。

また、1ヶ月程度の無料サポート期間を設けておくことで、クライアントは安心して運用を始められます。
サポートを通じて信頼関係を築くことで、その後の保守契約や継続依頼にもつながりやすくなります。
無料対応・有料対応の線引きをしっかり決め、クライアントとの長期的な関係を築いていきましょう。
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